2010年12月19日日曜日

日本語教育能力検定 筆記試験の合否への影響について。

日本語教育能力検定試験は、「筆記は平均点でいいからマークシートをしっかりとれ」と、よく言われます。それを少し検証してみました。

ExcelのNORMDIST関数は、ある平均と標準偏差のもとで、0点からある点数までが何%を占めるかを計算します。これをもとに、マークシート受験者全体の中で、合格ライン(合格最低点)より1点少ない点数の割合を計算すると
=NORMDIST([合格ライン]-1,[マークシート平均],[マークシート標準偏差],TRUE)
で算出できます。さらにこれを1から引くと、マークシートの点数だけですでに合格している人が計算できます。過去4年間の結果は
平成19年 12.3%
平成20年 10.6%
平成21年 9.1%
平成22年 10.0%
(ボーダーは平成21年以前はアルク、22年は本ブログ算定)
となりました。マークシートの上位10%ぐらいは筆記0点でも合格ということです。

さらに、マークシートの点数に筆記の平均点を加算したときに合格点に達する人の割合は、
平成19年 19.4% (全体の合格率20.6%)
平成20年 19.2% (全体の合格率21.5%)
平成21年 22.1% (全体の合格率23.4%)
平成22年 19.4% (全体の合格率21.4%)
(ボーダーの条件は同上)
となり、全体の合格率(合格者数/マークシート受験者数)とほぼ変わらない結果となりました。

したがって、マークシートでできるだけ稼げというのは真実だ、といえそうです。
逆に見れば、筆記試験とマークシートに特に重みづけの違いはなく、筆記採点者を絞っているのは、単純に主催者側の手間を減らす意味以外にはなさそうです。筆記で一定以下ならマークシートがよくても落とす、というなら別ですが。

---励みになりますので、以下のボタンのクリックをお願いします---
---Please click the buttons below to vote if you like this entry ---
にほんブログ村 資格ブログ 教育系資格へ
Certification for Education
にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ
Japanese Teaching
にほんブログ村 外国語ブログ 日本語(外国語)へ
Japanese Learning

0 件のコメント:

コメントを投稿