2010年12月30日木曜日

平成23年度新試験対応について。

日本語教育能力検定試験は平成23年度から内容・方針が改定されることになっています。
JEESのサイトでは、「本試験を対象別の日本語教育現場に枝分かれしていく前の,日本語教育の核を提示するものと位置付け」とする、と再定義しています。以下、主要な変更箇所をそれまでの要綱と比較してみました。
1.試験の目的
日本語教員となるために学習している者,日本語教員として教育に携わっている者を対象として,その知識および能力が日本語教育の専門家として必要とされる日本語教育の実践につながる体系的な知識が基礎的水準に達しているかどうか, 状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているかどうかを検定することを目的とする。
2.試験の構成
試験I  原則として,出題範囲の区分ごとの設問により,基礎的知識・能力,分析的知識・能力日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
試験II  音声媒体により,言語学習の音声的特徴に関する知識,瞬間的知覚・判断能力を測定する。試験I,試験IIIの内容を含む。 試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について,音声を媒体とした出題形式で測定する。
試験III  原則として,出題範囲の区分横断的な設問により,日本語教員の現場対応能力,問題解決能力,統合的判断能力,思考能力熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。
いずれも、「基礎的」「現場対応」という言葉が際立っています。

そして、これまでの出題範囲の中から、日本語能力の核となる「基礎項目」を設定して、それらを優先的に出題するとしています。要するに、これまでと違うものを出題するのではなく、これまでの範囲を配分を変えて出題する、ということになります。

個人的には変更前に合格できてとてもよかったと思っていますが、平成23年度試験を受けるとしても、範囲が変わるわけではないため、基本的な学習方法は変えなくてもよいのではないかと思います。このあたりは今後月刊日本語などの記事に注目していく必要があるでしょう。

また、変更点を読む限りでは、いわゆる「オタク」的知識からより実践的な知識を重視することで、受験者のすそ野が広がっていく可能性を感じています。さらに前回の試験内容変更のもととなった、平成13年度文部科学省発表「日本語教育のための試験の改善について」では、
日本語教育能力検定試験の水準については、現行の水準(大学学部の日本語教員養成副専攻課程修了者相当)を保ちながら、日本語教育の世界により多様な人材の参加が期待でき、幅広い知識とより実践的な能力を測定できるものが求められている。また、現行の水準の試験とは別に一段高い水準の試験を新たに設けることについて検討することも期待されている
としており、今後より高水準の試験を別に導入する布石になっているのではないでしょうか。いずれにせよ、平成23年度の改定は恐れる必要はなく、より自分を正当に評価できる試験になると考えた方がよいと思います。




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